私も過去3回ほどある離島に渡りその離島の防波堤からマダイやイサキ、アジゴをエサに5キロ級のヒラマサやデカバンのヒラメも釣ったことがある有名な離島がある。
写真の左側の防波堤の先端部分の水深はなんと30メートル近くあり、マダイやイサキはもちろん、GW前後には波止からイシダイを専門に狙う釣り人たちも来るという有名な離島なのです。
この離島に渡るには二つの方法があり、
一つは片道1日1便の市営渡船(往復で3520円)、
もう一つは個人の瀬渡船(往復6000円)。
市営渡船は市営の渡船場から1日1回9時に出て、
反対の離島から市内への便は1日1回15時に出る。
かなりの高速船なのだが片道の時間は70分近くかかるから、9時に出航しても島に到着するのは10時10分、防波堤の先端に釣り座を構えて竿を出すのは10時半ぐらいになる。
15時に帰りの船が出るから14時半ぐらいには納竿して道具を片付けねばならない。
最も釣れない時間帯の10時半から14時半の4時間程度しか釣りができないことになるのです。^^;
当然こんな朝マズメ、夕マズメを狙えないアホのような釣りをする方はいるはずもなく、たいていは離島に一泊する釣りの計画を立てて行くことになるのです。
つまり、朝の9時に市営渡船で離島に向かい、翌日の15時の離島からの市営渡船で市内に戻るという釣行計画を立てるのが常套手段になります。
ところが、後述しますが、この釣行計画には恐るべき落とし穴があるのです。
なので、私はこの離島に渡るときは値段が高くても必ず個人の瀬渡し船を使っていました。
この瀬渡し船は真夜中の0時~1時に出航し、
12時間後の12時ぐらいに納竿して市内に戻ることになっている。
同じ市内でも市営渡船と個人の瀬渡し船が出る場所は
まるっきり違っていて、距離にすると30キロ近く離れている。
市営渡船のほうが料金も半額程度で済むし、
大型船だからゆったりと出来るし、
1泊二日で釣り三昧を味わえるから良いこと尽くめだと思うかもしれないが、
海が荒れると1日1便しかない市営渡船はすぐに欠航するのです。
このことがどのような状況になるのかは、
賢明な読者の方であればお分かりいただけるはずです。
一泊二日の予定が二泊どころか、四泊も五泊も、最悪それ以上宿泊するハメになるのです。
事実私がこの離島に瀬渡し船で最初に友人と渡ったときに、大学生と思しき3人が船に駆け寄ってきて、「この船で市内に戻してくれませんか?」と、今にも泣き出しそうな顔をしていたのです。
話を聞けば、市営渡船でやってきた彼らは大時化で欠航が続いて、なんと離島の防波堤で一週間以上も野宿をしていたらしい。
島には小さな売店があるが、ここで最小限の食糧を買い込んで飢えをしのいだらしいが、それすらも底をついて丸3日ほど飲まず食わずだと聞いた。
最悪な話だ!!
まあ大学生だからまだ良いのだが、社会人ともなれば釣りに行って戻れずに職場を何日も休むハメになると言うこと。
たまたまこの瀬渡し船の船長が私の幼馴染とよく遊んでいたと言うことで、すぐに意気投合し、詳細を聞くと、年に数回はこうのような「防波堤で野宿するグループや個人」がいると言う。
しかも、この離島に渡って帰れずに、職場をクビになった方もいるとか・・・!!
笑えません!!
その当時の私にはとても笑えるような話ではありませんでした。
いみじくも30代で管理職をしていた私にとっては、「絶対にあってはならない他人事」でした。
いかに不可抗力とは言え、一週間も職場を釣りごときで休めば、部下からは言葉では「大変でしたね~!!」と言われても、部下からしかとされるでしょうし、経営者からは、「あんた誰だったっけ?」などと、皮肉100%言われそうな気がしたものです。^^;
釣りに行って戻りたくても戻れない!!などと言うことは、100%絶対にあってはならないことです。
だから、この島に公営渡船では渡りませんでしたし、
もう15年近くも行っていません。
事実この離島に渡る方は定年退職者が多いのです。^^;
2~3日どころか、1週間戻れなくても文句を言う方もいなけりゃ、戻らなくても誰に迷惑をかける身分でもないと言う方が多いのです。
当時の私はこういう身分の方々に憧れました。^^;
この日、このときにしかチャンスがない会社員と違い、海がないでいる好条件の時を見はからって行けるし、
戻れなくても構わない身分の釣り人になりたい!!とも思ったものです。
余談ですが、釣りニュースなどの船釣りの写真はたいてい爺さんが多いはずです。^^;
釣りの腕が云々言う前に、好きな時に行ける事で好釣果を得ているパターンが多分にあります。
私も早く定年退職して、潮や天候や自分の都合の良い日を選んで釣りに行って、大物をバンバン釣って、「またこのクソ爺が大物ばかり釣っている!!」と半ば呆れられるようになることが目下の課題です。
でも、いつでも行ける身分になると案外行かなくなるかもしれません。
行けないことを我慢するぐらいが、丁度良いのかもしれません。
「次の休みは潮も良くないし、天気も良くないけど、竿を出さないと分らないのも海だから、休みの前の日まで仕事に精を出すとするか!!」ぐらいが丁度良いのかも知れません。^^;
何十年釣りをしても、予想不可能なことが海釣りの魅力でもあるはずです。
単独釣行の際もテントや非常食はある程度必携となります。
特にテントがないと、雨天で野宿は辛すぎます。
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